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【入試】はじめてづくしの受験と配慮
ぼくが決めた道【3】
心を救ってくれた先輩の存在
大久保(子) 僕は小6の時に学校行けなくなったんです。その時に手を差し伸べてくれた人がいたんです。
その人は、すごい優しい人でした。
大久保(母) 同じ放課後デイに行っていた高校をリタイアした先輩だったんです。私は、(息子が)不登校になった時に、家に居させなかったんですよ。家に居ていいのは1週間。そこから先は、中学校になったら自分で学校に行くっていうのは決めていたので、その時間を有意義に使う。タイピングスキルつけたりとか。家でやるのは無理だから、放課後デイサービスに行ってと。就労支援を視野に入れていた放課後デイだったので。今も在籍しているんですけど。そこに行っていることを出席日数として学校に認めてもらい、通っていました。そこで出会った高校をリタイアした先輩が、彼の見本なんです。
大久保(子) その先輩は、いわゆる“ちょい悪”で。僕の憧れの先輩なんです。その人に「僕は嫌われて。先生にも話しできないし。もう僕はダメなんだ」って言ったら、その先輩が「嫌われてるの?何が悪いんだい?自由じゃんか」って、「お前どんな悪いことしたの?」って、「僕、何も悪いことしてないよ」って言ったら、「自由なんだぜ。それくらで心配すんな」と自分のエピソードを交えていろいろ話してくれて。高校の教科書を見せてくれたり。「ああ、これあげるよ」って。だからその先輩は、僕の見本であり、憧れでもあり、いくら頑張っても追いつけない先輩っていう思いがあります。
大久保(母) 読み書きの障害の専門家に出会う前に、読み書き困難があることを理解されずに不登校になった時期に、専門家ではない人生の先輩だけど、大人じゃないんですよね。その当時、まだ彼は高校生だったんです。その高校生と異世代交流というか、モデリングですよね。排除された経験のある方が、息子に対しての言葉かけとか。うまく噛み合った瞬間、息子は自分で行動を起こして、自分のことを自分で行政に説明できるようになったんです。そうして今回の受験があった。本当に、どこを1つ切り取っても、できなかったことだったんだなと思います。
菊田 きっと心が強化されたでしょうね。同じ困難を抱えた人を「ピア」って言いますけど、ピアの力ってすごいんですよね。励ます力が半端ない。そして多分、その先輩もあなた(息子さん)から励まされたんだと思います。素晴らしい巡り合わせで、涙が出てきました。
大久保(子) ここまで、本当に苦しかったので。僕はもう未来の後輩がここまで苦痛を伴わず、義務教育を卒業し、ある程度高校生活を送れるというのを願うだけなので。僕が後輩に言えるのはそれぐらいなんです。
菊田 楽しい高校時代を過ごしてほしと思います。高校の先生は、その苦しかった会議を一緒に乗り越えてくれたわけだから。「これが初めてだから」って。心強いよね。
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