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―石崎さんはどんな方ですか。なぜこのプログラムに参加を?
菊田 石崎さんとはもう十数年の付き合いになります。「新宿スイッチ」という親の会を一緒にやってきました。新宿スイッチは、発達障害の子供たちを育てる親の会です。もともとは通級保護者会から始まりました。
石崎 ハートネットT Vでも少し取り上げられていたけど、今はあんな感じでアクセサリーを作りながらおしゃべりしたり、相談会や勉強会を開催したりして。
菊田 新宿スイッチにはルールが一つだけあるんです。「他者の子育てを絶対に批判しないこと」。そのルールも石崎さんと作ってきました。
石崎 そう。やってるうちにね。菊田さんとたくさん話してそうなった。子供たちの特性はそれぞれだから。家族構成も、環境も全く違う。その人の子育ては、例えその時がうまく行っていなかったとしても、それは一つの過程に過ぎなくて、良し悪しを評価することはできない。だから批判することなんか絶対にできないからね。
菊田 昔から石崎さんとは禅問答のように対話しながらきました。そうすることで私はADHD的に散らかった思考を整理できた。石崎さんは言葉にできない思考を言語化してきた。
石崎 私は話すのは得意じゃなくて。
菊田 私は話すのは得意だから。言ってみれば石崎さんの外付けマウス(口)笑。石崎さんの思考を言語化しながら自分の思考を整理しています。そういう作業を続けることで、“本質”を探究してきました。親の会をやってた頃は原稿も推敲してもらってね。鍛えてもらいましたよ。「あなたなら、もっと書ける!書き直して!」って発破をかけられて笑
今の私の発信力は石崎さんが育ててきた笑
石崎 人生はずっと探究だからね。この先もずっと探求し続けていくと思う。
菊田 この先も私は鍛えられていくってことだ笑
―KIKUTAプログラムを開発するきっかけとなるバックグラウンドを聞かせてください
菊田 子供向けの配慮教室を始めようってなった時に、石崎さんを真っ先に誘いました。もう一年以上も前になりますけど、従来の概念とは違う新しい教室のカリキュラムを一緒に組んで行かないかと誘いました。本質を探求して言語化し、カリキュラムに落とし込んでいくには石崎さんの力が必要だった。
石崎 誘われたので面白そうって思いました。これまでスイッチで蓄えてきたものが形にできそうって思って。それでカリキュラムの編成に関わることにしました。
学力も含めて技術はすぐにつけることができる。でもそれは子供を自力で前に向かわせる推進力には足りない。何が足りないのか。自分自身発達障害の子供を育ててきて、親の会の中で他の人の子育ても見て聞いて。学び合いながらここまできて。そうやって見えてきたものがあったから。
菊田 それから、さっき石崎さんは話すことが苦手っていう話が出てきたけど、本を読むことも実は苦手。でも早稲田大学教育学部に進学し、地学の研究に没頭していた才女です笑。
石崎 苦手でも困ってはいないの笑
菊田 困っていないのは、必要な部分だけ的確に読み取る技を自然に編み出していたり、長すぎる文章なら誰かに読んでもらったりしているから。そうやって持ち前の抜群の思考力にエネルギーを注いで力を発揮しているわけだよね。そういう石崎さんの視点はこのカリキュラム作りに欠かせない要素です。どうやってしのいでいくかを学ぶのがKIKUTAだからです。
石崎 子供たちには自分の能力に限界を持たせず、本来の力を発揮してほしい。そのために学びを楽しく。勉強を嫌いにならず、どうやったらストレスなく楽に楽しく学べるかを考えています。普段私は学習塾で子供達に勉強を教えていますが、そこでもおそらくは読み書きの困難を抱えている子供達に出会うこともあって。その子達に今つけてあげたい力をこのカリキュラムに盛り込んでいます。
―開発する決め手となったことはなんですか
菊田 子育てって、悩みが尽きないですよね。日々、いろいろな問題がある中で、これでいいのか、こういう時どうしたらいいのか、きっと誰もが悩みながら子育てしていると思うんです。でも、私たちはそれぞれ特性の全く異なる子供たちを育てながら、お互いに子育ての本質を求めてきたものがあって。こんな風にして良かった、こうすればもっと良かったと振り返ってわかることもある。いらない要素もいっぱい試してきて、いっぱい失敗もして、だからこそ、本当に必要だった要素もわかる。その経験をもとに着地点から再検討して形にすれば、“効率の良い方法”を次の世代に託すことができる。それが、きっかけです。今までで一番研ぎ澄ましたものを提供することができると考えました。
石崎 このカリキュラムは完成形ではなくて、これからも子どもに合わせて進化させていくよね?
菊田 ほら、また鍛えられる笑。
石崎 カリキュラムの構築は、子育てと同じで、これからも探求し続けるでしょ。
菊田 でも、それは冗談ではなくて。一年以上の時間をかけて作ったカリキュラムも、大筋は変わらないけれど、参加した子どもと、その子たちの成長を見ながら、もう一度解き直して、さらにつむぎ直す、ということを毎回、毎回行っています。子どもを飽きさせてはいけないですから。毎回が真剣勝負です。
石崎 毎回の授業もまた、探求の連続。
菊田 そう。今、1期生の3回目の授業が終わったところなんですけど、もともと考えていた4回目の授業をもう一回構築しなおそうとしています。子どもの反応や状態を的確に把握して、参加する子どもに寄り添った内容のものにしていくためです。
子どもにとって、毎回が、行ってみようかなとか、次の授業が楽しみになるような、ワクワク感が散りばめられたような、自分にとっての何かの気づきだったり、何かのきっかけにつながったりするプログラムにしています。
―実際にKIKUTAプログラムをどのように運用していますか
菊田 KIKUTAプログラムは、ひとつのプログラムを3〜4ヶ月ぐらいで完結するような構成にしています。短期間に集中させているのは、子どもの成長は目覚ましくて、教え込むというよりかは、技術も何もかも、きっかけにしかすぎません。だったら、飽きさせないぐらいのタイミングで効果的な経験をさせた方がいい、ということで、数ヶ月完結型のプログラムにしました。コースはひとつしかありません。子どもの状態に合わせて、オプションで補強していくことはできます。生徒は12人前後の小集団ですが、スタッフは常時6名以上はいるので、かなりきめ細やかに個別対応しています。集団での良い効果を取り入れ、個別の良さも融合させて、運用しています。
石崎 KIKUTAに興味をお持ちいただいた方には、入会前に、必ず説明会に足を運んでいただいています。親御さんの協力なしでは、進んで行かないので、親御さんにも私たちとワンチームの気持ちでプログラムに参加していただいています。そのため、子どもが通う通常のプログラム以外にも、親子セミナーや専門家からの親向けのセミナー、そして、スタッフからの実践的な保護者セミナーや懇談会など、家庭の教育力もアップさせる総合的なプログラムになっています。実際、入講式からお父さんの参加率も高いです。
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【予告】
次回は、3月1日公開です。
KIKUTAプログラムで展開しているカリキュラムについて、お届けいたします。
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