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あるよセレクト
2021.07.01
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#33【支援】第3の選択肢[5]

入試への対策

内藤 あとは、入試に備えて、漢字で書いてほしいところは漢字で書いてとか、違う漢字を書かれちゃったとかいう時に、「直してください」と頼んで「ここの字を何とかという字にしてください」とか、「この字をこれと同じにしてください」とか言わせる練習もしました。「あ、すみません。直しておきますね」と言いながら直したりして。注意が散漫になりがちなので「見ててね。私は言われたとおりにしか書かないから。そういうもんだよ。特に入試は勝手にこっちが予測して書いちゃうわけにいかないから、ちゃんと見ていて合っている、合っていないというのは、あなたの責任だよ。」ということは、練習しましたね。

菊田 それで、律くんは結局口述筆記で受けたんですか?入試は。

 

内藤 基本的にはP C使用で。P Cで処理できない所だけ、書いてもらいましたね。グラフとか。頼まれた方もドキドキしたみたいですよ。でも、的確にお願いできたから、あちらも安心したみたい。

 

内藤 律くんは頭の中で考えている人ではあるけれど、(画面上で)メモをしたいときもあったんですよね。だからパソコン上でメモを取れるソフトを使わせてほしいって言うのもお母さんが交渉なさったんですよね。メモありとメモ無しをこちらでも試してみて、結果やはり、頭の中だけで処理するのはちょっと無理だと思いますし、律くんならソフトは何でも使えるから、配慮はしてもらった方がいいよねってお母さんと二人で話しました。

 

内藤 高校受験は神奈川県で初めてのケースになったので、相当大変だったと思いますね。お母さんも良くなさったなと、思いますね。

 

菊田 そう思いますよ。高校側もよく準備してくれて、本当に良かった。

 

内藤 高校の学校見学に行くときに、ここでもiPadminiを使っていたので、「これを使ってて、何か言われたらどうしよう」って言うので、「僕これじゃないとできないんだって言えばいいじゃないの」って。「じゃあ言うセリフとかも一緒に練習しよっか」と言って練習してて。で、行ってみたら「誰も何にも言わなかった」って。笑。

「見られたけど、別になんでそんなもの使ってるんだ?なんて全然言われなかったー」って。「いいじゃんいいじゃん、言われなかったなら良かったんじゃない。」って。笑。

中学では「そんなもの使って、普通級に行くなんてあり得ません!みんなに説明できないからダメです。」っていう経験をしていたんで。

 

菊田 ああ、中学はね!

 

内藤 何せ、パソコンは用意してくれたけどパソコンが分かる先生がいなかったんですよ。

 

菊田 ああ。先生分かんなくても良かったんだけどね!!笑!

なるほどね。じゃあ、日常的な会話の練習から始まって、自分の困り感を色々解決していくうちに、じゃあ学校見学とか入試に向けての困り感はこういうことだっていうことが具体的にわかっていって、それを練習していったっていうことですね。

 

内藤 そうですね。あとは、普通級でテストを受けたことが無かったので、テストの受け方も全く知らなかったんです。だからテストを受けるっていう練習もしました。本当に10分設定とかで。
「はい!始め!」「はい!ひっくり返して!」みたいなことから始めて。消しゴムも自分で拾っちゃダメだから、「拾ってください」って頼む。終わっちゃっても待っている練習も。ただ何にもしないで待つっていうのができなかったので。もうただ突っ伏して寝ててもいいから、立っちゃダメ。離席しちゃダメ。って。

 

菊田 それでね、今の大学の生活が新鮮って言うのは、そういうことなんですね。

 

内藤 集団生活が出来なかったのができるようになったからね~。憧れの集団生活。

 

成長を振り返って思うこと

菊田 でもそういう風に一生懸命育てたお子さんが大きくなっていくって、うれしいですよね。

 

内藤 はい。写真を見て正直、私はうわっ律くんにヒゲが!!って思いながら。笑。

 

菊田 いい話をしてくれるんですよ。律くん。

内藤 律くんが言ってたのは、支援級にいる子たちには発達障害のアンテナが立ってるって。
で、僕は、アンテナが立ってる方が安心。って。自分とおんなじ仲間だから。アンテナがあるんだけど、うまく話せない人が沢山いるから、僕はその人たちの代わりに話をしていきたいって。小学生の時から言っていました。

そうだね。律くんがそうやって話してくれると、私も「ああそういうことなんだ」ってわかるから、助かると思うよ。って。

 

内藤 律くんは相貌失認もあるので、ここで会えば私って分かってくれるみたいけど、外で会うと全然分からない。内藤ですって言えば「あ?」ってなるけど、言わない限り分からない。大学では男か女かもわからない。でも、いい人だったとは思うみたいな。

顔の中のパーツで人を判断していない。着ているもので、スカートはいていれば、まあ、十中八九は女性かな?みたいな。自分なりの方法を獲得したね、律くんみたいな。笑。

 

菊田 あはははは。面白い。本当に穏やかな鷹揚な青年に成長されていて、感銘を受けちゃって。

 

菊田 今振り返って思うことは?

 

内藤 律くんからは勉強させてもらいましたね。本当に勉強させてもらいました。

こういう子がいるんだって。私も初めて会うタイプだったので。ああ、本当にダメージ受けて、体に来ちゃうんだって。これを分かってくれと言って分かってもらうのは、相当難しい話だろうなって。信じられないって言う人がいるのもよく分かる。でも付き合ってきたので、本当なんですっていうのも分かるから。律くんがうまく言えない時に、分かって、代弁してくれる誰か、分かってない人に話してくれる人が必要なんだろうなって。それがお家の人だと学校の先生は「お母さん考えすぎだから」と言って終わりになっちゃうから、第三者の視点が必要なんじゃないのかなって。そういう人を律くんがお母さん経由じゃなくて、自分で見つけて引っ張ってこられるようになるといいかなと思います。今は大学に協力してもらって、ずいぶんやれているようですけど、お母さんの手からもうちょっと離れてもいいのかな、とは思いますね。

でも本当に勉強させてもらったなと思いますね。お金払ってもらって、勉強させてもらっちゃって、申し訳ないんですけど。笑。

 

 

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