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__「学級づくり」の仕掛け① 「違い」を認めあえる土壌の作り方
過去には、こんなことがありました。宿題の漢字を1マスにうまく書けないBくんがいて。本人と保護者と相談して、4マスで1マスにし、1字を書くことを決めました。ある日、その宿題に丸付けをしていると、クラスの女の子がやって来て言いました。「Bくん、こんな大きく書いてずるい!」。私自身ドキドキはしながら、こう説明しました。「Bくんは、体育がすっごく上手だし、ダンスも得意なんだよね。」「でもね、漢字がちょっと苦手で、Bくんとお母さんと相談して、大きく書いたら上手に書けるということが分かったんだ。だから、こうやって書いてるの」すると、女の子は「うん、わかった」と言って、すぐ遊びに行きました。
「ああ、こうやって、周りの子ども達にも素直に伝えれば、理解してくれるんだな」と私は実感しました。
このように「どうして○○ちゃんだけいいの?」と子ども達が思うことは、ごく自然なことです。教師の方も「まわりの子がこう思っているかもしれないな」という気持ちを持っていなければなりません。そして「どうして○○ちゃんだけなの?」と言われたときに、返せる言葉を準備したり、あるいは、むしろそういった状況を作って伝えたりすることが重要なのだと思います。
”公平性”を子ども達に伝えるなら?—-
私ならこう伝えるでしょう。
「みんな得意なことと苦手なことがあるよね。ドラえもんに出てくる出木杉君は絶対に存在しない。これは得意だけど、これは苦手ということが必ずみんなある。苦手なところをみんなで認め合っていこう。目が悪ければメガネをかけようね、席を前にしようね。それと同じで苦手なことには何か手立てをしていく。それはみんな一緒だよ。それで得意なところはしっかり伸ばしていこう。」
繰り返しになりますが、こうした教師の呼びかけを子ども達が素直に受け入れるためには、学級がいい状態でなければなりません。
いい状態の学級とは?—-
これはある学級のお誕生会の写真です。(図)
椅子を円形に並べ、向き合って座る児童が、笑顔いっぱいにボールを回しています。例えば、こういったお楽しみ会を定期的に開くことや、そのための準備の時間はとても大事な機会なんです。それは良い人間関係を作っていく=コミュケーションの力を身につけていく良い機会となるからです。
そのコミュニケーション力はインクルーシブ教育を支える土台となります。なぜなら「違い」を認めるには、対話が必要なんですね。そのために学級では、具体的な活動を通して、繰り返しお互いを理解する機会を作ることが必要です。学習の場、生活の場を通じて「違い」を意識する言葉がけをしながら、「違っていて当たり前」という学級の土壌を作っていきます。違う考えや思いに接する喜びを感じさせる仕掛けを作っていくわけです。コミュニケーションは「違い」を乗り越えるためのツールとなるからです。
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