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あるよセレクト
2023.12.23
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#43 【教員】多様な価値観が存在する、学級づくり【1】

〜「学級づくり」の鍵は「違い」にあり!

※2020年にインタビュー

広島市立落合東小学校の穐山和也先生にお話を伺いました。

今年64歳になる穐山先生は、この7年間、生徒指導主事として学級を持たずに活動してこられました。他校の校内研修に呼ばれたり、先生や保護者からさまざまな相談を受けたりすることもあるそうです。穐山先生がLD支援に目を向け始めたのは、さかのぼること約20年前。2000年に、自身が受け持つ学級が学級崩壊になりました。それを機に、LDを含めた発達障害に関する勉強をはじめたといいます。LD学会で特別支援教育士(SENS)という資格を取り、毎年LD学会に参加し、情報を得てこられたそうです。今回のインタビューにもパワーポイントを準備して分かりやすく話を進めてくださる姿には、真摯で実直なお人柄が溢れていました。

 

ー_学級崩壊から学んだ、「学級づくり」に必要な力とは

 

学校の先生方への研修会などもなさっていると聞きますが—

校内研修などをする中で、特に感じるのは、先生たちの中に「この子はさぼっているのではないか、楽をしようとしているのではないか」という見方が依然として根強いこと。そうではなくて「困っているのは本人自身」ということをまず一番に伝えたいと思っています。LD学会の疑似体験などを活用し、読めない子どもの気持ちになってもらったり、周りが分かっているのに、自分だけ分からない時のつらさを体験してもらったりして。そうすることで、発達障害の子ども達の気持ちを伝えています。ここで重要なのは、それらを分かった上で、”学級をどう作っていくか”ということです。特別なことをしたとしても、それがその子にとっては必要なことであり、学級のみんなもそれを受け入れられる学級=支持風土のある学級をつくることが大切なのです。

例えばAさんが4月にはいっぱい落とし物をしていたけれど、1学期が終わる7月にはだんだんそれが減ってきたとします。落とし物がまだ減らないという見方ではなく、それはAさんの成長とみることです。物を落とした、落としていないという一律の尺度ではく、Aさん自身の物差しで見るようにいろんな価値観が存在する学級を作っていけたら良いと思います。

 

 

穐山先生は「学級づくり」に力を入れておられると聞きます—

「学級づくり」とは、最終的には「違い」を認められる集団を作ることです。特に日本は同調圧力(=みんな同じ)という傾向が強いため、その中で「違い」というものをどう認識していくか、「違い」が分かる集団をどう作っていくかがポイントです。これには教師の指導力が必要になります。さらに「違い」を認めるには、「聞く」ことが身についていなければできません。「聞く」ことができれば、その意見に賛成か反対かは別にして、こんな考え方もあるんだということを受け入れることができます。まずは「学級づくり」がベースです。聞く力をつけてさまざまな考え方を受け入れられる集団にすること。そのベースができた上で初めて、合理的配慮や学習指導につなげていくことができます。現場ではよく「学習指導」と「学級づくり」は”両輪”と言われますが、両輪というよりあくまで「学級づくり」がベースであって、その上に「学習指導」があると考えます。

 

互いの違いがわかる集団とは?—

この「違い」の分かる集団とは、

・一つの価値観でなく多くの価値観が存在し、友達のよさや頑張りが話せる。

・けんかやトラブルはあるけれど互いに折り合いがつけられる集団である。

・友達を茶化さない。

・励ます声かけや拍手がある。

・自分の意見や「わからない」が言える。

・自信がないことや苦手なことにもチャレンジできる。

・素の自分が出せて一緒に楽しめる。

・みんなと一緒にする活動があって、自分が誰かの役に立っていると思える。

 

事例を紹介しましょう。ある若い教員が、ユニバーサルデザインの観点から、クラス全員のノートの裏に九九表を貼らせました。そして「九九表が必要な人は自由に見なさい」と伝えました。ところが学級は、学級崩壊とまではいかないが、常にざわざわした環境になってしまいました。つまり、ユニバーサルデザインとは、何かモノを準備すればいいということではありません。そこには教材研究や教師としての力量が必要です。翌年、担任が変わると、そのクラスは落ち着き、学力も高まりました。新しい担任が算数科の教材研究に熱心だったことや、子ども達とコミュニケーションを図り、信頼関係ができていたんです。それにより、児童には互いの「違い」に対する抵抗感がほとんどなく、「必要な人が必要な時に使えばいい」という合理的配慮がスムーズに行えたという好事例です。担任の適切なアセスメントができていていれば、落ち着いた学級集団となります。その結果、必要な児童に必要な支援や配慮が行えるということです。

また、教師の年齢が高く経験があれば、学級づくりがうまくいくかというと、そういうわけでもありません。まずは「違い」を認められる学級をつくっていくことが必要。そのベースになるものはやはり聞く力です。友だちの話や人の話を静かによく聞ける子どもにしていかなければならないと思います。

 

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