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「首都大学東京 理学部数理科学科1年、金坂律です。
僕には自閉スペクトラム症と書字障害、五感にわたる感覚過敏があります。」
僕の自己紹介はこんな風に始まります。
一番の自分の特徴として、また一番知っておいてもらいたいこととして自分の障害を言うようにしています。
今、僕は周囲の理解に恵まれて大学で興味を持ったことを自由に勉強することができています。
「周囲の理解」と簡単に言っても、もちろん何も言わずに得られたわけではありません。この自己紹介は、自分の状況を端的に説明し、少しでも理解してくれる人(理解者)が現れることを期待しているものでもあります。
理解者を探すには、自分の状態・障害を説明する必要があります。自分一人で困っていても、周囲の人は驚くほど気が付かないものです。だからこそ、自分がどんな状態なのか、ある条件でどんな状態になるかを言葉にすることが大事だと思っています。
文字でなくても、口頭でもいいので練習しておくと便利です。口述筆記でもパソコンでも、ボイスレコーダーでもいいので、自分が一番やりやすい方法でそれを記録するのもよいでしょう。「やりやすい方法」を見つけること自体も、自分の状況を知ることにつながります。
僕はずっと自分の状態を説明し、理解してもらえないことがあっても理解者を探してきました。「カミングアウトしない方がいいかもしれない」と思ったことはありません。この姿勢のおかげで、良き理解者に巡り会うことができました。
理解してくれない人の方が理解者より多いかもしれませんが、助けてくれるのは間違いなく理解者の方です。理解者は必ずどこかにいます。当事者コミュニティで見つかるかもしれませんし、それ以外のどこかで出会うかもしれません。
僕が書字障害の診断を受けた頃、書字障害がありながら日本の大学に行くのは難しいと言われていました。しかし,、僕が首都大を受験した時には、首都大にはすでにPCを使った受験の前例がありました。前からは考えられなかった、大きな進歩と言えます。
今のあなたが明日のあなたと違うように、周りの人々も、社会さえも明日は違っているはずです。
理解者も支援の体制もどんどん増えています。自分のことを理解し、周囲に説明することで自分の世界を、自分の興味の向く方へと広げていってほしいと思います。
金坂律さんの大学受験の秘話も来年公開!
「あるよセレクト」乞うご期待!
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