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―KIKUTAプログラムは学習塾でもパソコン教室でもない。従来ある習いごととの違いはなんですか。
石崎 大げさに聞こえるかもしれないけれど、大事なことは「心を強くすること」だと。それを中心に据えなければ、どんな技術でも、その子のものになっていかないって考えています。
菊田 端的にいうと“勇気”を育てるっていうことです。どんなにICTを使いこなせる技術が身についても、本人の勇気が育っていなければ、前に進んでいくことはできない。自力で進んでいくことはできない。
石崎 もちろん技術は大事だけどね。パソコンの技術とか、勉強もまた技術ですけど。
菊田 それだけだったら、むしろ学習塾へ行った方がいいかもしれないし、技術だけだったらパソコン教室に行ったほうがいい。
石崎 難しいのは勇気を育てるっていうことで。難しいけど一番大事なこと。技術はその勇気の支えになっていきます。
菊田 KIKUTAでは勇気を後押しするのは3つの要素だと考えています。未来・仲間・技術です。
技術はICTを含めた支援を日常の学習の中で使いこなしていく技術です。本質の学びを保障し、学力を伸ばしていくための技術になります。本来学ぶことは情報を取り入れ、思考を深め判断し表出していくということ。困難を抱えながら、自分のエネルギーを効率よく使うにはどんな技術が有用なのか。自分にとってやりやすい方法を見つけていきます。
石崎 読み書き困難がある場合、例えば“覚えたり考えたりすること”と“ノートをとること”は別の作業になりがちです。でも、極力同時にできることが理想。ICTも上手に使いながら、効率よくノートを取って同時に覚えたり考えたりしていけるようなやり方を探っていきます。
菊田 それから仲間。今季は13人の読み書きが苦手な仲間が集まりました。これまで自分の他に読み書きができない人を他に見たことがなかった子供たちに一気に12人の仲間をができたことになります。それから、仲間にはちょっと先を生きる学生さんたちもチューターとして加わります。読み書き困難でも学生としてやりたい学びを実現している学生さんたちです。
石崎 チューターの学生さんは読み書きに困難を持つ人ばかりではありません。もはや彼らの間には、読み書き困難かどうかの壁はないですよね。等しく学び等しく未来を探求している。 “学びたい”を叶えている仲間です。
菊田 それが3つ目の未来に関わってきます。自分の未来をとことん考えて欲しいのです。
未来を模索するにはモデルも必要で。未来を探究する姿勢と、探究するテーマの両方のモデルです。ちょっと先を生きている学生さんたちの影響も大いに受けてもらいながら、未来を模索してほしい。
石崎 そう。そして未来を模索するには興味を持てるテーマが必要。それを掴んで初めて勉強する目的、学ぶことの本質がわかる。これは読み書きに困難を持つ学生さんたちからもよく聞くことだよね。で、そのためにモデルをできるだけたくさん見せてあげたいと考えています。例えばiPadでノートテイクの技術を使いながら、「瞬間移動と数列」を学ぶとか。学生のモデルを参考に自分の興味のあるテーマを探って欲しい。
菊田 その興味の言わばネタとなるように、夏には本格的な科学教室も予定しています。手のひらに乗る小さなボールから始まって、地球の大きさを体感したり、さらには天体望遠鏡や真空実験装置を自作して無重力や宇宙に想いを馳せる科学教室です。乞うご期待(笑)。
石崎 それから、もう一つ大事な要素は、親御さんの「覚悟」です。親御さんには子どもの正確な実態把握のために、現実を受け止める覚悟を決めてもらわなきゃならない。それは子供を産んだ時に決めた覚悟と同じくらい大きな覚悟。私たちは親仲間として保護者の皆さんを支えるので、ご自身の覚悟を作っていって欲しいと思います。
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【予告】
次回は、3月15日公開です。
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