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菊田 先生と話していると、LDの問題ってちっぽけなことで、大した問題じゃないように思えてきます。
高橋 そうよ。LDとかADHDとか言って、大人になっている人いっぱいいるじゃない。
菊田 いっぱいいますよ!やっぱり、対等かどうかって、大事。
担任や周りの大人が対等に自分に接しているかどうかというところを子どもはよく見てる。
高橋 僕はね、自分が基本的にちゃんとできないなと思っているから、人にも要求しない、っていう人なんですよ。やっぱり教員を見てて、子どもに要求するくせに、お前できていないじゃんってことがあまりに多すぎて。「宿題が期日に出てこないんです!」っていうけど、「お前さ、期日通りに提出物だしたことないじゃん。」とかね。
菊田 なんか、そこを思える姿勢というか。
先生は、人として対等に対峙しているから。
高橋 とにかく、僕の教育方針は、「先生は本当のことを言うとは限らない。」「自分が思ったことはちゃんと言おう!」ってやっていたから、みんな中学校に行ったら問題児になっちゃってね。
菊田 ( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \
高橋 「高橋先生!小学校でどういう教育してきたんですか!」って中学校の先生に言われちゃうから、「それはね、できるところは伸ばし、ダメなところは目をつむりでやってきたんですよ。」っていってね。
子ども達には、「いいか、お前たち。これから難局に立ち向かわなくてはならない。窮地におちいった時に出せる魔法の言葉をひとつ教えよう!」って言って...。
深々と頭を下げて「大変申し訳ありませんでした」って、教えてね(笑)。
菊田 ( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \
すごい!先生!!でも本当にそれ、生きる力だと思う!
こういう姿勢を示してくれる先生って貴重。教師である前に、人間であるというか。
高橋 そこらへんがね、学校って変なところに縛られるよね。
よく子どもが「校長!校長!」って言うから、僕は全然平気だから、「なに?」って言うけど、まわりの先生たちはすごく気を遣うわけ。「校長じゃないでしょう。校長先生でしょう!!」って。だから、一応先生たちの思いも受けて、「いいんだ、いいんだよってわけにはいかないから、校長って言った子に、「先生は全然いいんだけどさ、君のお父さん、お母さんが校長先生のことを校長って呼んでいるって思ったらさ、どう思うかな?」って言ったら、「あれ?うちのお父さんも、校長って呼んでるよ。」「そうだよなぁ、そりゃそうだ!(笑)」
菊田 ( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \
なんか、人間を育てているんだから、赤裸々でいいというか。
高橋 なんだろうなぁ、管理職だと「こうしてください!」っていうのがあるから、難しいよね。
高橋 昔、特別支援学級で「大漢字テストまつり」っていうのをやっていたんだよ。年に一回、子ども達に受験票を作って、受験番号何番とかいって、ランチルームに集めて、受験の心得とかも説明するわけ。「わからなくても、キレない。」「できないからとかいって暴れない」とかね。
その間に支援員さんが会場を全部受験仕様にしてくれて、テストを行うわけ。
「大漢字テストまつり」って、語呂がいいから気に入っていて。「まつり」が付くと楽しそうでしょう。
菊田 まつりがつくと楽しそう!
高橋 時間割とか年間計画なんかも、僕が作っていたから。だから、空いているところに「大漢字テストまつり」入れちゃったりした。
1年生は、1年生の漢字。2年生は、1年生と2年生の漢字。6年生になると6年分。それを1時間でやる。
先生から、「とても1時間では終わりませんよ。」と言われちゃって、そこは、「まつりだから適当に」と言って。「誰が丸付けするんですか!」「俺がやるよ!」って全部自分がやったけど、さすがに全部はきつくてね。1年生と6年生は、2月までに終わらせて表彰とかもしたけれど、2年生から5年生までは全部できなかったから連休明けまでお待ちくださいと言って、お休み中ずっとここで丸付けしてた(笑)。赤のサインペン、10本ぐらい使ったよ。
菊田 わぁ~すごーーい!!なんかそういう遊び心っていうか。そういう遊び心が学校にはあってほしい。そこの余白の部分で子どもを活かしてほしい。
高橋 学校って、遊び心がでちゃうと、やっぱりそれはどうなのか、って思う人はいるわけですよ。
菊田 それはね、それがね、子ども達を苦しめてしまうんだよなぁ。特にこういう子ども達は。当てはまらなくてね。苦しくなっちゃうの。
高橋 そうなんだよね。そうなんだよ。でもさ、その人がそういう風になってきた自己形成みたいなものがあって、逆にそういう先生は、「なんでもいいんだよ!」みたいな世界になったら、かえって苦しくなる。
別支援学級の担任をしていた時に、基本的に臨機応変でやってきたわけです。教務主任をやった時に、同僚の先生が言っていたけど、はじめて僕がテンパっているのを見たって。全部ひとりでやっていたから。通常の教育課程も書かないといけないし、支援級の教育課程も書かないといけないし、支援級の個別の指導計画から教師が書く書類とかも全部僕が書いていたから。
だから僕と組んだ先生たちは、違うところに異動していくと、ここはどうなっているんですか?この書類はどうやって書いたらいいんですか?って、なってました。
そのテンパってた教務主任の時に、通常学級から来た先生と一緒にやっていたんですが、「予定はどういう予定になっているんですか?」って聞かれて「まぁ、まぁ(臨機応変に)適当に」と言ったら、「適当じゃありません!!」って言われちゃって。だから、週案(予定表)のコピーを渡して、「来週はこれです!」ってやっていたけどね。そのときに思ったのは、結局、そうじゃないと仕事ができない人もいるんだよね。
だから、きちんと計画を立てて、この時間にこれをやる、と決まっていないと不安で仕方がない。そういう人からすれば、授業中にラーメンを食べに行くなんて、「とんでもないでしょう!」ってなるよね(笑)
菊田 なるほどね。本当に難しくて、大人がインクルーシブを進めないと子どものインクルーシブはできないんだなぁって。
高橋 そこはね、同時並行でいいかなと思っているんだよ。
まぁ、インクルーシブっていって5年間やってきて、とりあえず「この子は何をやっていいかわかりません」とか、「この子はうちの学校じゃないと思う」みたいな声は上がらなくなったんじゃないかなと思うんだよね。先生たちには、「できるところからやればいいんだよ」って話しています。
ただ、「カップラーメン食べさせるのは、校長先生だけの技ですよね。校長室だから出来ることですよね。」って結構、ブーブー言われているから、子ども達には「内緒だぞ」って言って、やってる。でも、そういう時に限って先生が来ちゃう(笑)
悪いことはできないものだなぁ。って
菊田 すごい学びですね(笑)
高橋 本当、僕、怒られるの。
次回は、「個別の教育支援計画と個別の指導計画」「読み書きに困っている子」についてお話を伺いました。
7月15日会員限定での公開です。どうぞお楽しみに。
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