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みなさん、こんにちは。
野中宏太郎と申します。
僕は読み書きに困難を抱えている17歳です。
「文字を書くこと」そのものが辛かったのはもちろんですが、ICTを使うための交渉の中で、大人の様々な思惑に自分が翻弄されたり、先生たちから「こういう生徒が学校にいるのは困る」と言われたりすることが辛かったです。
先生たちは「他の生徒から不満の声が出るのではないか」と心配していましたが、当時のクラスメイトは、僕のことを受け入れてくれました。
受験での配慮が偶然で決まる?
中学時代は、書きの困難に加えて常に所在無さを感じていました。
三者面談では「高校受験は自分たちで交渉をしてください」と言われました。
高校からは「公平性が担保できない」「あなたのような生徒はリスクになる」と言われて、ほとんどの学校に断られてしまいました。
ある先生は「5年後には当たり前の社会になるかもしれない。でも今は無理」だと言いました。
その時、僕は思いました。
「5年後、当たり前の社会になるのなら、今から始める学校が必ずあるはずだ」
そう信じて交渉を続けました。
僕は一年かけて、第一志望の高校からパソコン受験の配慮を受けることができました。
それは僕が初めてアプローチした先生が、「たまたま」配慮に対して理解があり、「たまたま」配慮を実施するだけの力を持っていたからです。
「偶然」の出会いが時に道を拓くことは誰にでもあります。
けれども、受験での配慮が「偶然」の元に決まる、そんなことがあってはいけないと思います。
海外では、
僕は今、ベトナムのホーチミンでインターナショナルスクールに通っています。
インターナショナルスクールには世界標準の配慮の基準が存在し、住んでいる土地や学校長の方針や、先生の主義に関わらず、配慮を受ける権利があります。
実際、読み書き困難に関しては、僕が初めての受け入れケースでした。それだけに、最初は先生たちも戸惑い、対応がよくわからないようでした。
でも、僕が受けたい配慮を明確化して提出したところ、たった二週間で配慮が決定されました。このスピード感には僕も驚きました。
まだまだ小さな問題は起こりますが、そうした問題も先生や支援コーディネーターと一緒に連絡を密にして、常にブラッシュアップしています。
ここにいると、配慮は「当たり前のこと」として対応されます。
だから、僕自身も「配慮を受けさせてもらっている」と感じたことはありません。
もちろん、先生方には感謝しています。
未来を見つめて
僕は色々な人に出会い、交渉をしたという経験が、今の僕のインターでの生活を支えてくれている、と強く実感することがあります。
周りが変わらなくても、結果が残せなくても、今やっていることが無駄になることは決してありません。それは必ずどこかのタイミングで、これまでに得たスキルや人脈、交渉したという事実が、大きな助けになることがあるからです。
僕は問題にぶつかった時、悲観している自分をまずはリセットして、「本当にやりたいこと」に正直になってみます。
それを実現するために「自分には何ができるのか」「誰に助けてもらえばいいのか」を考えます。
できない理由は考えないようにします。それでダメだったら、また方法を変えてみます。
それでもできないことばかりですが、そうしていると、周りに助けてくれる人は必ず増えていきます。
今、僕は友達が一人もいませんが、助けてくれる人はたくさんいると信じています。
「5年後に当たり前になっている」
そう言われたあの日から、もうすぐ3年が経ちます。
当たり前の社会の到来を待つのではなく、当たり前の社会を作っていく。
それは、当事者である僕たちだからこそ、できること、だと思います。
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